私は、広島で開業医をしている父の背中を見て育ちました。でもそれが歯科医師を目指したきっかけではありません。
英語と音楽が大好きだった中学時代には、周りに流されずに勉強をして過ごしました。それは、休みなく働き、夜中にも往診に出かけ、地域の方々から信頼されている父の影響だと思います。
先に大学進学で上京していた兄を追うように、東京の高校を受験しました。いくつか受けたのですが、合格したのは東邦大学附属東邦高校。多くの医者を輩出している高校です。でも高校時代はバンド活動に熱中し、大学受験には真剣に取り組みませんでした。
大学受験で医学部に落ちたら広島に帰るつもりだったのですが、歯学部に合格。どうしようかと思っていたら、担任に「チャレンジしてみろ」と背中を押され、歯学の道に進むこととなりました。
きっかけは消極的なものですが、手先が器用だったので自分が歯科医師に向いていると感じるようになりました。大学病院での研究や臨床を経て、開業をした現在の私が目標としているのはやっぱり父親です。地域医療への貢献が認められ、叙勲までもらった父を目指して、とりあえずは一人前になろうと頑張っています。