歯周病は不思議な病気であり、単純な原因でなります。
要は歯の周りに歯周病菌が感染するとそこにばい菌が巣を作って膿が溜まり、歯を支えている骨を溶かして、いずれ歯がグラグラになって抜け落ちるのです。
これらはひとえに歯周病菌が引き起こすので、歯磨きを真面目にやらない人は歯周病が悪化します。そう・・歯周病とは「ナマケモノ病」なのです。
ですが、歯周病が不思議と書いたのは、全体の10%の人たちは歯磨きをしなくても歯周病になりません。
また、逆に別の10%はいくら最新の歯周病治療を施してもどんどん進行してしまう人たちがいます。
そして、残りの80%は感染して歯周病になりますが、治療を受けてちゃんと真面目に歯磨きをして、年に数回歯医者でメンテナンスをすれば治癒してしまう人たちなのです。
これは、その人の体質、持っている細菌の種類の分布やその役割が人それぞれ違うからといわれています。
さらに、歯周病菌は血流に乗って体の各部に運ばれ、肺炎を起こすばい菌と仲良しになって肺炎を起こすのを手伝ったり、脳や心臓の血管の壁にへばりついて脳梗塞や心筋梗塞の原因になったり、もちろん、糖尿病とも密接な関係にあり、合併症なのです。 これらの現象は、我々の体や生活、また生活習慣と生じる病気が、ばい菌(細菌)やウィルスとの共存や競合により成り立っている証拠なのです。 私たちは、様々な生物と共存していかなくてはならないのかもしれませんね。
当院では、「できるだけ抜かない治療」をコンセプトに掲げています。
しかし、どうしても抜かなくては解決しない歯もあります。それは、歯周病が進み過ぎた歯、もしくは虫歯が進み過ぎた歯です。この2つだけはどうにもなりません。
どうしてこうなるかというと、一言、放置し過ぎた歯です。
当院に駆け込んで来られる方で、他の医院で「抜かなきゃダメです」と言われて、びっくりして、怖くなって放置してしまったという患者様が非常に多く見受けられます。
放置する前に拝見できれば、救える確率はかなり高いのです。
色々な考え方の歯科医がいて、「根っこだけになった歯は痛くなくても抜いてインプラントにした方が良い」という誤った考え方を教育された歯科医も最近増えています。
お早目にご相談をお待ちしています。
最近、どうも、MTAセメントについてのお問い合わせが多いようです。
ズバリ言いますと、魔法のセメントです。
歯の根の治療は時に非常に困難な場合があります。
それは、歯の根に穴が開いてしまったり、歯の神経の部屋の底が抜けてしまったり、根が一部割れてしまったりした場合、痛みや膿がたまって痛くなることがしばしばあるのです。場合によっては抜歯を宣告されることもあるのです。
しかし、そんな時MTAセメントで穴や割れたところを塞ぐことで、元通りに使えるようになることがよくあります。このセメントの操作やノウハウは簡単とは言えませんが、3-MIX法とともに、うまく使えば、魔法のように抜歯を覚悟した歯がよみがえるのです。抜歯を勧められたら、一度相談するとよいでしょう。